白神こだま酵母を
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世界⾃然遺産「⽩神⼭地」からの
贈り物
⽩神こだま酵⺟
世界⾃然遺産「⽩神⼭地」で発⾒された
野⽣酵⺟。
種起こしが不要で、発酵⼒と
冷凍耐性に優れているだけでなく
国産⼩⻨とも相性が良いので、
ふっくらおいしいパンが焼けます。
また、多くのトレハロースを体内に
貯蓄しているため
ほんのりと⽢みを感じる
しっとり⾷感のパンになります。
⽩神こだま酵⺟のあゆみ
⽩神こだま酵⺟は、世界⾃然遺産「⽩神⼭地」で1997年に発⾒されました。
現在までの⽩神こだま酵⺟のあゆみをご紹介します。
1997年 サンプリング開始
- ・⼩⽟健吉⼯学博⼠(1920-2005)が⽩神⼭地の世界⾃然遺産指定地域から関係官庁の許可を得てサンプリングを開始
- ・世界⾃然遺産指定地域1,200箇所からサンプルを採取
小玉健吉工学博士(左)、
秋田県総合食品研究センター・
高橋慶太郎主席研究員(右)
1998年 「⽩神こだま酵⺟」と命名
- ・⼩⽟健吉⼯学博⼠がサンプリングした試料から⾷品に適した酵⺟菌を分離
- ・⼩⽟健吉⼯学博⼠と秋⽥県総合⾷品研究センターとの共同研究で、酵⺟菌の分離‧選抜を開始
- ・発酵試験、保存試験、製パン試験等の結果より、製パンに適した酵⺟菌を選抜
- ・この製パンに適した酵⺟菌を「⽩神こだま酵⺟」と命名
白神こだま酵母(生タイプ)※
1999年 酵⺟の流通‧保存試験開始
- ・秋⽥県が商標及び特許を出願
- ・秋⽥県内に「⽩神酵⺟研究会」を設置し、パン店での製パン試験を開始
- ・秋⽥⼗條化成が秋⽥県と⽩神こだま酵⺟の特許実施及び商標使⽤許諾契約を結ぶ
- ・秋⽥⼗條化成が秋⽥県から⽩神こだま酵⺟の製造委託を受け、秋⽥県内での販売を開始
- ・秋⽥県総合⾷品研究センターと⼤塚せつ⼦(後にサラ秋⽥⽩神を創設)が酵⺟の流通‧保存試験を開始(製パン技術の共同研究を開始)
白神こだま酵母と国産小麦を使用したパン
2000年 商標登録
- ・⽩神こだま酵⺟ 商標登録(商標第4420102号)
2001年 サラ秋⽥⽩神設⽴
- ・⽩神こだま酵⺟の販売代理店としてサラ秋⽥⽩神が設⽴
秋⽥県ベンチャー企業に認定 - ・⼤塚せつ⼦が秋⽥県総合⾷品研究センターより⽩神こだま酵⺟技術アドバイザーを委嘱
- ・⽩神こだま酵⺟(⽣タイプ)秋⽥県外への販売開始
白神こだま酵母(生タイプ)
2002年
⽩神の乳酸菌
「⽩神作々楽(ささら)」発⾒
- ・白神こだま酵⺟(ドライタイプ)全国への販売開始
- ・⽩神の乳酸菌「⽩神作々楽(ささら)」を発⾒
(特許出願 特願2002-236989)
白神こだま酵母
(ドライタイプ)50g、200g
白神作々楽(ささら)※
2006年
⽩神の乳酸菌
「⽩神サケイ株」発⾒
- ・⽩神の乳酸菌「⽩神サケイ株」を
発⾒
(特許第5044769号)
白神サケイ株※
2007年 特許登録
- ・⽩神こだま酵⺟ 特許登録(特許第3995183号)
2008年 ⽩神の納⾖菌発⾒
- ・⽩神の乳酸菌「⽩神サケイ株」を使⽤した塩もろみの販売開始
- ・⽩神の納⾖菌を発⾒
2009年 フルーツもろみ販売開始
- ・⽩神こだま酵⺟を使⽤したフルーツもろみの販売開始
(特許出願 特願2009-044303)
フルーツもろみ
2010年 乳酸発酵⽢酒販売開始
- ・⽩神の乳酸菌「⽩神作々楽(ささら)」を使⽤した乳酸発酵⽢酒の販売開始
乳酸菌甘酒「白神ささら」
2012年 ⽩神こだま酵⺟ドライG販売開始
- ・⽩神こだま酵⺟ドライGの販売開始
白神こだま酵母ドライG(40g、200g)
2014年 マヨネーズ販売開始
- ・⽩神の納⾖菌を使⽤した⽩神納⾖を秋⽥県内にて販売開始
- ・⽩神こだま酵⺟の⾖乳発酵液を使⽤したマヨネーズの販売開始
(特許出願 特願2014-198144)
マヨビーンズ
2017年 プラセンタエキス販売開始
- ・⽩神こだま酵⺟で抽出したプラセンタエキスの販売開始(特許出願 特願2017-022147)
2018年 ⽔産加⼯品販売開始
- ・⽩神の乳酸菌「⽩神サケイ株」を使⽤した⽔産加⼯品の販売開始
2019年 飼料販売開始
- ・⽩神こだま酵⺟を⽶糠で増殖させた⼟壌改良および飼料の販売開始
(特許出願 特願2019-156576)
※秋田県総合食品研究センター提供
To be continued
これまで製パンの⽤途にとどまらず、
広く調味料や醗酵⾷品、加⼯⾷品、
医療、化粧品、⼟壌改良、消臭剤など
多くの開発研究が進められています。
近⽇では、
⾖乳発酵液を配合した「イカの塩⾟」や、
プラセンタエキス発酵液を配合した
各種サプリメントなどの
販売が予定されており、
さらにプラセンタエキス発酵液を使った
化粧品開発も注⽬されています。
25年を経た現在においても、
⽩神こだま酵⺟の未知なる⼒と
可能性がますます広がっています。
⽩神こだま酵⺟「発⾒物語」
⼩⽟健吉⼯学博⼠(左)、
秋⽥県総合⾷品研究センター‧
⾼橋慶太郎主席研究員(右)
1997年、⼩⽟健吉先⽣と研究所で共同研究開始
1997年夏、当時77歳であった⼩⽟健吉先⽣が、酵⺟を培養するための微⽣物培養装置を借⽤したいと秋⽥県総合⾷品研究所(現‧秋⽥県総合⾷品研究センター)を訪れました。
⼩⽟先⽣は、秋⽥県在住の在野の研究者でありながら、野⽣酵⺟の分離‧分類においては⽇本を代表する研究者です。
彼が50年間の研究で分離した野⽣酵⺟は、3,000株以上に上ると⾔われています。
研究所を訪ねた当時、⼩⽟先⽣は⽩神⼭地からの野⽣酵⺟の分離‧分類を開始し、10年程度
(87歳まで!)は⽩神⼭地に限定した研究を進める予定でした。
世界⾃然遺産指定地域1,200箇所からサンプルを採取
⽩神⼭地は広⼤な落葉広葉樹林帯が8,000年以上も保たれていることから、多様な微⽣物が存在すると予測されていました。
しかし、⼭麓までのアクセスが悪く、登⼭道などの整備がされていなかったため、⽩神⼭地を起源とした有⽤微⽣物はこれまで分離されていませんでした。
このように⼈が簡単に⼊り込めず、さまざまな⽣態系が⾃然のまま保たれていることも、⽩神⼭地が世界⾃然遺産に指定された理由の⼀つとなっています。
⼀般的に、世界⾃然遺産指定地域からの⼟壌採取は認められていません。
実際に採取可能になるまでには、営林署(現‧森林管理署)を含む関係各機関への申請‧許可が必要ですが、前例がないことから困難が伴いました。
しかし、すべての申請‧許可が終了した後、この年は世界⾃然遺産指定地域から1,200箇所の⼟壌が採取されました。
1998年、ついに最後の1株を選抜「⽩神こだま酵⺟」と命名
1998年6⽉、⼩⽟先⽣が⽩神⼭地のサンプルから分離した500株の酵⺟の中から、24株の酵⺟が研究所に⼿渡されました。
既存の発酵⾷品で使⽤可能な酵⺟は、発酵性のある酵⺟に限られます。
⼿渡された24株の酵⺟は、すべて発酵性のあるものでした。
当時の研究者たちは、その中から⾷品企業で使⽤可能なものを選び出すことになりました。
清酒‧ワイン‧ビール‧パン‧味噌‧醤油‧漬物などの発酵⾷品の中で、彼らが最初に⽬指したのは、「製パン⽤の酵⺟」でした。
まず、製パンに必要なガス発⽣量を測定し、24株のうち4株が条件を満たすことが判明。これらの酵⺟はいずれも芳⾹を有し、オーブンフレッシュベーカリーなどで種起こしを⾏ったところ、製パンに適していることが分かりました。
この段階で、⽩神⼭地原産の酵⺟を使⽤したパンの製造が可能であることが確定したのです。
その後、商品化に向けて増殖性と保存性の両⾯から試験を実施したところ、1株だけ基準をクリア。
この残った1株の酵⺟が、後に「⽩神こだま酵⺟」と命名されることになるのです。
しっとりした⽣地、フルーティーな⾹り
試作品第1号がようやく完成
試験終了後、秋⽥県内のパン屋さんなどが参加する「⽩神酵⺟研究会」が発⾜。
この研究会を中⼼として製パン試験が⾏われることになりました。
1998年11⽉、酵⺟を渡してから1週間後、参加者たちが試作パンを持ち寄り、試⾷会が開催されました。
このとき初めて⽩神の酵⺟で作られたパンが披露されたのです。
外⾒上は、重さと体積のバランス(パン⽐容積)が市販のパンと変わらない印象。
⼝に⼊れると、しっとりとしてきめ細かく、フルーティーな⾹りが華やかに広がります。
さらに驚くべきことに、このパンは1週間室内に放置しても「しっとり感」が保たれたままでした。
この最初の試作品は⾮常に⾼品質で出来がよかったため、酵⺟の⼒だけでなく、パン職⼈の技術の賜物だと考えられていました。
しかし、施策を重ねていく中でこの考えは⼤きく変わっていくことになります。
⽩神の酵⺟を使⽤したパンのおいしさは、この酵⺟の⼒と、酵⺟に夢中になったパン職⼈の愛情によるものだったのです。
後にこの酵⺟は、発⾒者の⼩⽟先⽣の名前と⽩神⼭地に宿る⽊霊(こだま)、そして広くこだまするという願いを掛けて「⽩神こだま酵⺟」と命名されました。
こうして⽩神⼭地のブナ原⽣林にひっそりと⽣息していた酵⺟は、希少な特性を携え旅⽴つことになりました。
"「白神こだま酵母でパンを焼く」(大塚せつ子著/農山漁村文化協会)「白神こだま酵母」発見物語を参考。"
詳しくはこちらの本をご覧ください。
⽩神こだま酵⺟でパンを焼く
―国産⼩⻨がふんわりやわらか
(大塚せつ子(著)∕農⼭漁村⽂化協会)